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社長ブログ

2020.05.23

瓜田に履を納めず李下に冠を正さず

京都も緊急事態宣言が解除された今週は、明るい話題をと思っていたのですが、検事長が賭博容疑というトンでもない話が入って来ました。

この非常時にこの国はホントに大丈夫か?と思ってしまうのは、報道されている事とはちょっと違う視点が有って、何故そこに目を向けないのか?向けられないのか?にもっと大きな問題があると思うので、ここで書きたいと思います。

検察のTOPが賭博容疑で辞職という、これも又ドラマの様な話ですが、まず問題にしたいのは、その反省のコメントが”緊急事態宣言下における行動が緊張感に欠けた”というものであった事と、それに対して報道も全く突っ込まない所です。

一番の問題は、緊急事態宣言が出ている最中に、3密で出かけて行った事でしょうか?
そこじゃないやろ!と一斉に突っ込んでも良い話なのに、報道ではそのまま流していたり、この緊急事態が出てるのに、何をやっているんでしょう?と惑わされているのか、そのままコメントしているのです。

この問題は、緊急事態宣言下でパチンコに通っている人と同じ問題でしょうか?

検察のTOPが賭博容疑なんです。

森友問題でも、やはり財務省のTOPが文書改ざんの容疑がありましたが、この時も帳票類を破棄したという話がありました。

検挙するTOPが賭博、財政を預かる所が帳票を無くす、、こんな事になったら規律も何もあったもんじゃないという事が大問題なんです。

更に、今回の黒川氏も訓告という内部処理で、そんな軽い処分になるのは、金額が小さいからという事らしいですが、賭博に当たるかどうか?は一時の娯楽に供する物かどうか?であり、通常は食事や飲み物程度、とされているのですが、今回数万円の現金が動いたのと、継続的に行なわれていた事について、法務大臣までが金額が小さいからと認めてしまってるのですから、今後民間でも数万円の賭けマージャンなどは、堂々と行われても賭博には当たらないという事でいいのでしょうね?

中国のことわざに、”瓜田に履を納めず、李下に冠を正さず”というものがあります。

これは役人についての話だったと思いますが、”瓜が成っている畑で履を履いたり、すももが実をつけている所で冠を直すな”という意味ですが、それは役人たる者が、何もしてないとしても疑われる事をしてはいけないという教えで、瓜の成っている所で履を直したり、すももが成っている所で冠を直していたら、遠くから見た人は、それを盗っている様に見えるから、そんな疑わしき事すらしてはいけないという事です。

私がこれを教えてもらったのは、サラリーマンで勤めた瀧定という会社の上司からですが、繊維業界最大手であった瀧定では当時は、接待する方もされる方も一切禁止で、それどころか、得意先、仕入先の担当と自分のお金で行くのも駄目だと叩き込まれたのですが、この話を用いて教えられていました。

そんな事をしていたら、奢ってもらった人から、商売上不利な頼み事をされた時に断れるか?
或いは、仲良くなった人の方が商品的に劣っているのに、そちらを採用する様な事にならないか?
又、そんな風に甘いと、それを利用してくる人が出て来るので、一切やってはいけないという事でした。

日本社会でまだまだバブル期にもある30数年前の事ですから、かなり極端な考えですが、私は、こんな所で社会人の経験を積んだ事が大変良かったと、少なくとも経営者になってからは痛感していました。

私の様に、何の技術も突出した頭脳も持っていない中、しかも、条件などでも誇れない中小企業においては、スタッフがどう思うか?スタッフから、実際はそうでなくとも社長が得をしていると思われる様な事は、指揮やそれこそ風土にも大きくマイナス影響を与えるので、一番注意して来ました。

それだけに、問題は金額などの大小ではなく、その立場で一番やってはいけない事かどうか?で、その行為が全体に対してどれだけ大きな悪影響を及ぼすか?という事に視点を置かないと駄目だと思うのです。

検察のTOPが賭博(と見られるような事も含めて)をしていて、誰が取り締まれるのでしょう?
財務省で数字の改ざんなどがあって、どうして、税金の申告修正を求めていけるのでしょう?
国の存亡を賭ける様な事で隠さないといけない事ならまだしも、首相主催の会で、公文書が破棄される様な事が行われて、その後、言い逃れたとしても、皆が信用すると思っているのでしょうか?

そしてこういう事が更に問題なのは、自分の事は棚に上げて他人ばかりを責めるという姿勢を、国のTOP達が見せてしまっている事で、そんな中で子供達の教育問題を考えたとしても効果が出る筈がないという事です。

という事で問題は金額の大小ではなく、そもそもその立場において、それだけはやってはいけない問題かどうか?という話なのですが、それをマスコミも野党も本当に分かってないのか?そんな筈はないでしょうし、とすると、一見、批判している様に見えるマスコミも野党も、皆が同じ磁力の中で動いているので、もたれ合いになっているのではないか?と思います。

そういう意味でも、やはり地球か宇宙規模の観点から見れば、今回のコロナは、どうしようもない磁力自体を吹っ飛ばそうとした大きな意味を持っていたのかも知れません。

特に経済的にはまだまだ大きな被害を被るこれだけの危機を無駄にしない為には、簡単に騙されない様に、問題の本質を見極ていく事が大変重要だと思います。

 

 

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