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社長ブログ

2018.09.09

何故”想定外”を繰り返すのか?

先々週は北海道で、台風19号、20号が西日本を縦断~という書き出しでログを書いていましたが、今週は、過去上陸した台風では最大級の21号が関西を襲い、その後北海道にも大雨を降らした後、今度は震度7ともなる大地震が北海道で起るという、記録的災害が続いた週でした。

今回の災害でも気になるのは、”想定外”という言葉や、活断層が発見されていなかった・・・という事です。

活断層が発見されていなかった・・・と言われたのは、阪神大震災がそうであり、”想定外”という言葉は3.11の津波、そして原発問題の際に散々言われた言葉ですが、それ以降も沢山の災害がありましたが未だに同じ事を言っています。

今回も泊原発の外部電力が喪失していたそうですが、”原子力発電所は、活断層の無い所に建てている”という話も、自然相手では、結局”想定外”の事が起こるわけですから、大丈夫と言うのは、詭弁と言わざるを得ません。

これから益々、”想定外”に対処していかなければならない、そうしないと生きていけないという状況に向かっていくと思いますが、そう考えると、必要な事は何でしょうか?

それは”想定外”に対処するのですから、その場の状況から判断して、臨機応変に自らが決断していける力です。

それが一番大事だと思うのですが、これまでの日本は、人や周りと同じが良いとする平等意識?で、そうすべきとなると右に倣えとなり、それから外れる事を嫌い、又、失敗でもすれば袋タタキとなるので、初めからリスクを取らず、何も起こらない様、起こさない様にしてしまうのです。

台風接近の前日から、過去最大級の台風という事が報じられ、翌日の休みを決める所もありました。

予測では、関西に最接近するのは9月4日昼頃で、速度も速いので夜には抜けているというものでしたので、うちの会社では通常出勤としました。

実際その日の朝は、本当に台風来るの?というくらいの良い天気でしたが、JRは運休してましたので通勤できない人は休み、私鉄も午後からの運休を決めたので、帰れなくなりそうな人は午前中に帰らせました。
営業を中心に残ったメンバーには、お客様との予定変更をできるだけ行い、台風が通過する日中は外出せず、社内でミーティングなどを行いました。
しかし、やはり”想定外”に台風が凄く、台風が去った後も電車が復旧せず、何台かの車で分かれて帰り、スタッフ自体は何事もありませんでした。

何が言いたいのかと言うと、この際も、最大級という情報で、他が休むからという事で、風潮的にも、社員の事を考えるのであれば、会社は休むべきという感じに一方方向に流れていく感じがあり、我々の様な会社はまだしも、名のある企業で自社は休まず、そこで何かの事故でも起きれば、皆で大バッシングを行うという風潮になっている事に大変な危機感を感じるのです。
(独自判断で、会社を休みにされた所がおかしいと言っているのではありません)

この大災害で、多くの被害が出ている間にも、災害のニュ―スと共にパワハラ問題も大きく取り上げられています。

これも誤解を招いてバッシングの対象となりますが、暴力行為やパワハラをしたとされる人を擁護する話ではなく、実際あの様な問題は、言葉自体よりも、その言葉が生まれる背景や状況が重要なので、それがパワハラなのか暴言なのかなど周りが分かる筈がなく、ワイドショーなどで関係ない人間が無責任にコメントするものでもないし、それを面白がって見ている構図が、リスクを取らない状況や大多数に流れる状況を生み出していくのです。

そして又、そういう人達が、判断ミスなどを責め立て、それが大勢を占めると正義かの様に振る舞うのですから、そんな所で少数でもこっちだと判断し、行動していける人など、出てこなくなり、結局は当たり障りの無い決定をし、問題が起きた際には、”想定外”と繰り返すのです。

これからも益々”想定外”が起こっていくであろう中、自らの責任で判断し、行動していける様になる事が、今後一番必要な自己のリスク管理だと思いますし、そんな人を作り出していく事が社会全体で必要なリスク管理だと思います。

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