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社長ブログ
2018.02.18
スマートテロワール構想の一助に
今週、カルビー創業家で元社長の松尾さんが急逝されました。
晩年というか、亡くなる瞬間まで、美しく強靭な農村自給圏を作るとしたスマートテロワール構想をぶち上げ、過疎地域と言われる様な農村でも奔走しておられました。
私はある勉強会でご一緒させて頂いており、仰っておられる構想は哲学的でなかなか理解するのが難しかったのですが、やはり一方で、そのお話が難しい?ながらも、尊敬するアミタホールディングスの熊野会長が仰っておられる循環型社会と同じ様にも感じて、年代も一世代違うお二人が繋がれば、この大構想も現実味を帯びるのではないか?と、誠に僭越ながら、四年程前だったか、お引き合わせする場も設けさせて頂いていました。
昨年松尾さんが、熊野会長が作って循環型モデルとして展開しておられる南三陸に訪問されたというお話も聞いていて、これからとも思っておりましたので、誠に残念でなりません。
この勉強会というのは、伊那食品の塚越会長や、カルビーの松本会長もメンバーという凄い会なのですが、実はジョンソンアンドジョンソン日本支社長を務められた松本さんを、上場を託してカルビーに迎えられたのは松尾さんであり、何とこの会の繋がりからそんな
凄い人事が生まれていたのでした。
昨年の京都流議定書の基調講演に松本会長にお越し頂けたのも、実はこの会のご縁だった
のですが、数少ない本物のプロ経営者と思える松本会長と、オーナー家としての松尾さんの関係は、成熟した大人の資本主義というのか、日本ではなかなか少ない、経営とオーナーの見事な関係を垣間見る事もできました。
”カルビーはいい会社だったが、経営がなっていなかった”と松尾さんの前で、松本会長は平然と仰います。
しかし、そんな事を皆の前で言われても、松尾さんもまた平然としておられたのですが、それには、カルビーは経営が下手だったと平然と言い放たれる松本会長も、理念や会社の価値観は、創業家である松尾さんにしか語れないという、オーナー側に対してのリスペクトがあって、企業のフィロソフィーを語っていく人と、その上でリソースを使い、その価値を最大化する経営者とは役割が違い、それぞれのプロがその役割を果たすべきだという事をお互いが認識されていたのだと思いますし、そんなカッコイイ関係から、資本主義や株式会社とは?というものを勉強させて頂けた様に思います。
そしてその勉強会が、今週京都で開かれていて、マイファームの西辻さんがゲストでした。
実はこの西辻さんの事も、数年前に松尾さんに、”こんな若者がいますよ”と話をすると、是非、紹介してくれと仰っていたのですが、こちらはなかなか実現できておらず、この日のゲストで漸くそれが実現できると思っていました。
そんな事などから訃報を聞いた際には、色々な意味で”間に合わなかった”と言うのが、率直な想いでしたが、今回のマイファーム西辻さんの話は、以前から知っていた私自身も、改めて感服する、構想力と展開力で、大げさでもなく日本の農業を救う存在になるのではないか?と感じましたし、松尾さんも近くで聴いておられて喜んで頂けたのではないか?と思います。
農村には資源が豊富にあり、15兆円産業が創出できると唱えられていた松尾さん。
そのご冥福をお祈りするのと共に、その方向に向けていく人たちと連携しながら、私なりにスマートテロワール構想の一助となっていきたいと思います。
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