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社長ブログ
2008.02.03
ウエダ再興記(23) ~会社を買いませんか?
私は元来、相手が誰であれ、自分が正しいと思えば言っていくタイプです。
しかもこの時は、瀧定で梯子を外された時や、父親から梯子を外された時以上の悔しい思いでしたので、とても黙っているわけにはいきませんでした。
しかし、この頃は、子会社代表と、U社が歩調を合わせていたのに加えて、ウエダ本社で、数字面、資金面を一手で取り仕切っていた常務も、子会社の代表の言いなりという状態でした。
親会社の常務が子会社代表の言いなりで、しかも親会社にとっては役員でもない子会社代表に指示されて、親会社の支払いを行なったりするという非常識な状況で、そういう事を指摘しても、ただ反発して、”皆を引き連れて出て行く”などと言う様に、ルールも何も無い状態でした。
これだけの四面楚歌の状態で、私がいくら正しく、腹が立っても、それを主張したところでその状況が変わるわけもなく、そんな事で時間を費やせば間違いなく倒産に追い込まれる、そう考えた私は、悔しい気持ちを押し殺して、何故U社がそんな行動を取るのかを考えてみました。
U社からすると、コンピューターの子会社は、利益も出ているし、決して切り離せない重要パートナーですが、親会社のウエダ本社は赤字であり(これらの数字の情報もU社には漏れていたのですが)、文具卸という先行きも厳しい業種で魅力もなく、子会社代表が言う様に、このままウエダ本社が潰れると、大事なコンピュータ子会社も共倒れするのが、最も困る事だったのだと思います。
それなら・・私は考えました。
法律的には、これだけの問題があるわけですから、子会社代表を解任する事は問題ありませんでしたが、基幹系システムという難しい領域で、100人近い規模の会社をウエダ本社の子会社として、法律面だけで押さえて、置いておいても先行き生きていけるのか?又、そういう事に疎い私が、傘下に収めていても100人程のメンバーを生かすことができるのか?
そう考えると、どこか大手と関係を深めないと駄目だと思いました。
又、周囲の人からは、羨ましく思われているウエダグループが、連携どころか、内情はそんな情けない状況であり、それなら、支配権を無くしても、U社の様な会社に入ってもらった方が、ルールは通じるので、却って子会社とも連携が取れるのではないか?そう思いました。
そして何より、この流れを止めて、倒産の危機をしのぐのは、U社の側に回るしかない、そう考えました。
私はU社の会長に会いに東京へ行き、こう切り出しました。
”コンピューターの子会社を買いませんか?”
予測した通り、U社はその話には興味を持ち、出荷停止の措置や、決済の交渉もお互い誠意を持ってこれから交渉するという事になり、U社のプレッシャーをひとまず止める事ができたのでした。
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