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社長ブログ
2015.05.18
ユニバーサルマナーという考え
今週はKYOCAでユニバーサルマナーシンポジウムが開催されました。
これはユニバーサルマナー協会と日本食育コミュニケーション協会が共催するイベントで、ホテル ラ・スィート神戸の檜山総支配人の顧客ロイヤルティについてのお話や、食育コミュニケーション協会の石原代表の何を食べるか?よりもどういう気持ちで食べるかが重要というお話など、大変勉強になるお話でした。
その中でも、ミライロ代表の垣内さんのユニバーサルデザインや、バリアに関してのお話は、正に目から鱗でした。
垣内さんやミライロさんについてはFBやブログでも何度か取り上げておりますので、ご存知ない方は是非HP(http://www.mirairo.co.jp/)をご覧頂きたいのですが、バリアをバリューにという言葉の通り、人生の長さは変えられないが、幅は変えられるという思いそのままが生き方に表れていて、20代とは思えないですし、障害というものもすっ飛ばしてしまって、プレゼン自体も図抜けて素晴らしいですが、一言一言染み入る様に入ってくるのです。
ユニバーサルデザインというのは、何もスロープや手すりを付けるという事だけではなく、色々な人に優しい、それぞれの人の立場に立たないと意味を成さないという事も良く分かりました。
障害は様々で、それぞれで必要な事は違いますから、スロープがあれば良いなどという話ではないのです。
ある素晴らしい飲食店のお話をされていました。
垣内さんが電話で、”車椅子で行っていいですか?”との問いに、そのお店の方は、即座に、”勿論どうぞ!”という素晴らしい答えの後に、”ただ、5センチの段差が1段ありますので、どうかご了承下さい”と付け加えられたそうで、それには感激したとお話されていました。
段差があれば駄目ではなく、段差が何センチか、何段なのかで、一人で行ける場合もあれば、何人かに手伝ってもらわないといけない場合など様々で、それが分れば対処でき、垣内さん曰く、この情報バリアの解消こそが重要なのであり、その為に、多くの人が、その様な事に気づき、その様な気持ちで接する事が、障害者に対してという事のみならず、今後の高齢化社会に向けて大変重要だとのお話でした。
今週は、クオリア朝食会での山下副知事のお話や、京都経済同友会での増田代表幹事の活動方針のお話もありましたが、モノが売れない時代のイノベーションの生み方、生まれ方という様な共通した内容でした。
イノベーションを生んでいる都市に共通するのは、多様性があり、アーティストなど感度が高い人が集まっている事や、同性愛者が多かったりする事だそうですが、それは、感度が高く、他の人を思いやれたり、受け入れる土壌があるからではないでしょうか?
多様性を認める、それぞれの立場の事を慮れるという事が、これからは特に重要になるのだと思います。
そういう意味においては、今、日本でソーシャルという事で活躍している人達で気になるのは、雰囲気や価値観がかなり同質化している事、それこそ多様な年代の群れ社会、縦型社会の経験が少なく個が強まっているせいか、立場や、その背景を考えられず、かえって他の考えが認められなくなっている様に思う事です。
同質の中では皆優しく、立場の弱い人にも受け入れるのですが、違う思考や方向性の人には、何故その様になるのか?すら知ろうともせず、自分の立ち位置からの感覚だけで判断するのです。
又、約束を守るとか返事をするという、何をおいてもの基本がしっかりできず、周りに迷惑をかけている光景もよく見ますが、大きな社会課題の解決を目指している人が、他者配慮ができないという本末転倒な話も多く、それ故日本では、NPOやソーシャルビジネス支援より、従来型企業をソーシャルに向かわせる方が有効だという意見も多くなってきています。
垣内さんやミライロさんが唱えるユニバーサルマナーという概念が、お店のみならず一般企業であれNPOであれ広まっていけば、多様な人を受け入れ、多様な人それぞれの事を慮れる世の中を生む事となり、イノベーションを生む町や国に向けてのベースとなる様に感じました。
ウエダ本社としても、ユニバーサルデザイン、そのベースとなるユニバーサルマナーという考えを学び、京都をイノベーティブな都市にしていく、そして京都から日本をイノベーティブに変化させる一助になっていきたいと思います。
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