大転換期の入社式

今年は、大企業では入社式も延期したり、オンラインで行なうなど、異例づくめでしたが、ウエダ本社では、一人という事もあり、少し寒さを我慢しながら、風通しを良くして行ないました。

考え方によれば、これも批判されるかも知れませんが、やはり長い人生においての大きな船出ですので優先する事にしました。

コロナ問題は大変ですが、最近はその事よりも、違う意見を言う人に対して、凄く攻撃的になっていっている傾向を、大変危険だと感じています。

私自身、違うと思うと相手構わずハッキリ言って波風を立てますが（笑）、自分では”人”と”事”を分けていて、怒っていても、その”人”が悪いというより、”事”が悪いと思っているのと、意見が違うのであって、違う意見の人が悪いなどとは思っていません。

以前から、特に日本人がこの傾向が強いのか、”人”と”事”をごっちゃにしたり、”坊主憎いけりゃ袈裟まで憎い”という様に感情的になると感じていましたが、最近、これが顕著になっている様に感じます。

コロナの問題は、誰も正解が分からない、それだけに不安が広がっていて、誰しもが怖いのは分かりますが、かと言って、特に楽観的であったり、同調圧力の中、違う意見を言う人を責め立てる様な事は危険で、差別にも繋がったり、こういう根が、紛争や戦争の原因にもなりかねないと思います。

人類の為にと声高に言いながら、違う意見の”人”を責めたり、差別にも繋がりかねない言動をしながら戦争反対、憲法改正反対と、辻褄の合わない事になっている様に感じるのです。

日本では色々な意味で完全封鎖というものはできないと思います。

これも外国がやっているからと言っても、国と国民の関係が違う中で、同様にはできる筈がありません。

完全封鎖的な事ができるのは、国家が強くて人権を低くみている国か、徹底的に補償をする福祉国家的でないと無理だと思いますが、日本はこの点、良くも悪くも中途半端ですから、やはりそれに合わせたやり方を考えるしかないのです。

私の様な中小企業の経営者は、完全STOPと言われてもその間の補償でも無ければ、俄かには従えません。

と言うと又、人の命よりも、経済や会社を優先するのか！という批判もあるかと思いますが、経営者の立場でいうとコロナが収束した後の方がもっと心配で、コロナが収束した後も社員の雇用を守って経営をしていかなくてはならないのです。

全面出張禁止、全員在宅勤務、できる所は理想でしょう。
又、これを機にそれに転換すべき、正論です。

ただ現実はできない所が殆どの中、そこで正論を振りかざして、できない所を悪者にして、同調圧力をかけて言う事を聞かせても、収束後のそれぞれの経営に誰が責任負ってくれるのでしょう？

そこで働く人やその家族の面倒を誰が見てくれるのでしょう？

経営者は、現状の危険と、その後の経営、社員とその家族の生活を守る事のバランスを考えてやっていかなくてはならないのと、それぞれで事情が違うので、それを違う立場の人が責め立てる事などできる筈がありません。

そんな、声すら上げられなくなって行っている風潮が深刻で、それこそ日本は、そして人類は何処に向かうのだろうと思うのです。

もし、ウイルスに意志があるか、地球を侵略しようとする宇宙人の仕業だとしたら、その侵略者の思う壺になっている様に感じてなりません。

コロナウイルスも無くなる事はないと思います。
それとどう共存し、そしてまた新たなウイルスや侵略者が現れた時に、”人”だからできる結束や感性や共感で、生き抜いていく様にしたいものです。

その為の大きな試練で、正に”人”が試されている、大きな転換期だと思います。

そんな転換期で行なった入社式ですから、新入社員は一人でしたが、皆にとっても意味あるものにしていきたいと思います。