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社長ブログ
2016.04.16
当事者意識を持つこと
一昨日熊本で大地震が発生し、これを書いている土曜日でも余震レベルではない大きな地震が続いており、予断を許さない状況です。
とても他人事にはなれない理由が二点あるのですが、それは、以前からブログもご覧頂いている方は知って頂いている通り、阪神淡路の大震災を、やはり震度7の神戸市でまともに被災した経験がある事と、今回前日まで福岡におり、新たに九州で活動されている沢山の方と繋がった事からです。
東日本大震災から5年、まだまだ問題山積である東北の方々と共に、また熊本で被災された方々にも、長期的な視点での支援が必要だと思います。
今週は、そのお呼び頂いた、福岡県中小企業家同友会ソーシャルビジネス委員会での事を書こうと思っていたのですが、少し内容を変えてみたいと思います。
今回のお話は元々、私が良いと思うリノベの方向、在り方で最も成功されているスペースRデザインhttp://www.space-r.net/ 𠮷原住宅代表の𠮷原さんからお誘い頂いたのですが、まだまだ本業とソーシャルビジネスを別物として捉える会社が多く、その辺りの関係性というか、ソーシャルビジネスに取り組む事が、自社に役立つ事なのだと思える切欠を作って欲しいとの、ハードルの高いリクエストでした(笑)
又、2週間程前に京都で、𠮷原さんと共に、イクボス推進事業などを手掛けられている委員長の小津さん、消滅都市と言われる大牟田市の町づくりを使命とされている冨山さんと打合せさせて頂いたのですが、皆さんの活動が素晴らしい中、それこそ、私自身が、気持ちの動きのまま行って来た展開しか話できないという事での講演でした。
愛知県の中小企業家同友会さんからも30代の経営者13名が来られており、前日の町歩きから、熱心に参加しておられました。
講演後の質問でも、その30代経営者のメンバーで、初対面でも好感度が持て、話しぶりからも、素晴らしい人物像と能力が伺える方でしたが、ソーシャルビジネスという事はやりたいが、何をやればいいか?率直に言って分らないというお話でした。
聞くとその方は四代目との事でしたので、”それだけ続くという事は、とても世間(社会)に背を向けてやって来られたとは思えないので、まずは自社の中に、それだけ続いて来られた強みがあり、そこには社会に対して役に立つ要素がある筈なので、そういう目で見直してみては?とお答えしたのですが、何となく、変な話ですが、この勉強会では、却って大きな可能性を感じました。
よく話題にしていますが、昨今のソーシャル~というものには、かなり表面的、トレンド的なものが多く、何か違和感を持っていたのですが、真面目にしっかりと事業を続けて来られた会社が、そこにある社会に向けての価値を見出す事が、地に足ついた形で、実際、今後の日本を良くしていく可能性があると感じたからです。
ソーシャルビジネスというと、本業は本業として、それ以外に、わざわざ新規で、社会にとって良い事を作っていかなくてはいけない様に思われるのですが、そうではなく、そもそも社会に役立つ為に事業があり、それを永続させていこうとすると、自社だけが良いという選択肢は出てこないので、社会(世間)にとって良い存在が生まれる筈なのです。
𠮷原さんのリノベーションが好きなのは、決して、作り手の自己満足や押しつけではなく、そこに在る小さい種が自然増殖的に広がっていく感じであり、その土壌作りを行っておられるという事で、これからの日本においては、これしかないという価値創造の有りかただからです。
東京⇔地方、中央集権⇔地方自治、指示命令⇔自主・自立、大企業⇔中小企業、
標準化・均一性⇔多様性、作り手(メーカー)⇔利用者(消費者)などなど、全て同じ構図です。
私は左側が悪いと言っているのではありません。
以前の様に左側で通用する事が限られているのに、その頭で考えるのが間違いだと思うのです。
これからは右側の価値観で動かしていかないと立ち行かなくなりますし、その為には自分事と捉えていく人を増やしていかなくてはなりません。
我々は、地震や災害なんて自分には降りかからないと勝手に思っています。
何の確証もないのに。
そして悲しいかな、遠くの災難は他人事になってしまいます。
今回の地震も日本だから大騒ぎしますが、遠くの外国だと、一瞬のニュースで終わります。
その国内でも、距離が近かったり、関係性が近い人は心配しますが、その距離が遠いと、他人事になってしまいます。
私も偉そうな事は言えません。
たまたま、被災経験があり、今回も前日に九州に居たから、距離が近いだけなのですが、こんな困った事、大変な人が居るという社会課題に対して、少しでも自分事と思える様にする事、それを事業でも意識する事、それこそが、本質的なソーシャルビジネスだと思います。
一日も早い復興をお祈りしますという締めは綺麗ですが、それをよりも、多くの人が当事者意識を持って長期的に意識を持っていく事、そんなソーシャルキャピタルを増やしていきたいものです。
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